2021.08.24

世界一やさしい 「経営戦略」立案講座 第六章

世界一やさしい 「経営戦略」立案講座 第六章

商品・サービスの特性を活かす

企業業績につながる「売る施策」とは

事業戦略で大方の事業の方向性が出来たら、今度は、実際の企業の売上につながる活動の設計を行います。それがマーケティング戦略の策定です。

 

マーケティングとは、製品・サービそのものの企画・開発・設計や、価格戦略、商品・サービスのプロモーションやブランディング、流通対策等のことをさします。これをマーケティングの4P(プライス、プロダクト、プロモーション、プレイス)と言うのが一般的です。また、これらのマーケティング活動を適正化することをマーケティングミックスと言い、この適正化が上手くいくと製品・サービスの販売効果を最大化することができます。

プロモーションに費用をかける会社がマーケ上手とは限らない

大手半導体メーカー「インテル」の事例を紹介したいと思います。

 

「インテル」は主にパソコンの心臓部でもあるCPUを生産しています。

 

なので、メイン顧客は当然パソコンメーカーです。インテルは、1991年、『インテル、入ってる?』というブランディング・プロモーションを開始しました。皆様もこのフレーズはCM等で聞いたことがあると思います。さて、「インテル」はなぜ、このブランディング・プロモーションを行ったのでしょうか?CPUは、パソコン内部に搭載されるものですし、実際、このCPUを購入してくれるのは、パソコンメーカーです。そう、取引は、BtoB、企業同士となるのです、しかしながら、インテルは、あえてパソコンユーザーに、広告をうったのです。その狙いは次のようになっています。

 

まず、パソコンユーザーに、そのパソコン『インテル、入ってる?』と問いかけます。するとパソコンユーザーは、自分のパソコンにインテルのCPUが入っているか確認しますし、インテルのCPUが入っているパソコンは優秀かもしれないと思うのです。すると、パソコンユーザーは次第にインテルのCPUが入っているパソコンを買うようになります。するパソコンメーカーも、数あるCPUメーカーから、インテルを選ぶしかなくなるのです。こうしてインテルは急成長していきました。

 

 

私は、これをサンドイッチ戦略(単純ですが)と呼んでいますが、このように、マーケティングは、製品、プロモーション、流通等、これをコーディネーションして、最大の販売効果を上げる事を目的としています。

 

①製品・サービス戦略

 

さて、製品・サービス戦略の説明は、これだけでも、本が数冊書けるくらいのボリュームになります。また、製品・サービス戦略はとても重要で、企業にとっては、最も盛衰に関わる戦略といっても過言ではないでしょう。

 

そして、このことは、今更説明するまでもなく、経営者が最も重要視しているパートです。

 

しかしながら、最初は、何らかの商品・サービスを販売し、それなりに売れたけど、長続きしない。慌てて新たな製品を開発、もしくは調達しようと奔走したけど、その製品・サービスが売れず、会社は倒産、などという事例は星の数ほどあります。

 

また、売れない製品・サービスを開発、調達しないと、次項のプロモーション戦略を立てるのは自殺行為です。なぜなのか?
例えば、とある企業家が新規ビジネスとして、レストランのど真ん中に出す事にしました。

 

ところが、開店当初、多くの客が訪れたのですが、次第に客足が遠のいていったのです。そして、都心ということもあり、家賃が高く重くのしかかり、あえなく閉店ということになったのです。

 

では、なぜ、閉店に追い込まれたのか?

 

それは、単純にラーメンの味でした。美味しくなければ、また客は来ようとはしません。さらに最悪なのが、来客が多く、まずいラーメン屋であるというマイナスブランディングが進み、閉店へのカウントダウンが加速してしまったのです。

 

冗談のような話ですが、このようなことは実際には頻繁に発生しています。

 

私も多くの経営者を見てきて思う事が、自社の製品・サービスにつては、絶対視していて、過信が生まれている事実です。

 

お金をかけ、苦労して開発したものだから当然でしょう。また、周囲の社員も、その社長の想いを組み、正直に提言することができない雰囲気になっているのです。

 

これとは反対に、昔からある人通りの悪いラーメン屋の味は確かなものかもしれません。

 

美味しいから一度食べたらまた食べたくなる、また口コミ効果で客は集まるのです。

 

私もテレビのディレクターをしていた次期があり、このような名店を数多くみてきましたが、取材を申し込むと店主が決まって言うセリフがありました。

 

「テレビの宣伝効果なんかいらない、売上に困ってないし、馴染みの客に迷惑なるしな」

 

良い製品・サービスをつくれば、プロモーションなんかいらない、そんな経営者を多く見てきましたし、実際に多くの企業に接する際、良い製品・サービスをつくっている会社ほど、プロモーション活動を行っていないという事実を目の当たりにしてきました。そのような経験から、逆にプロモーション活動に積極的に行う企業は、良い製品・サービスを提供してない可能性もあると思うようになりました。実際、以前、私は広告の制作会社の経営に携わっていたわけで、同時に、広告の無力さを感じたのもこのような経験からです。しかし今は、やはりプロモーションは必要だと感じています。このことについては、次項で説明します。

 

さて、これだけ大事な製品やサービス戦略ですので、経営者は、やはり製品やサービスを取り巻く環境分析や、多くの消費者の声を拾い集め戦略の策定を行うことが肝要です。

 

商品・サービスの戦略は、製品アイテムを構成する「コア機能」「形態」「付随機能」のうち、マーケターが苦労する点が実は「形態」です。製品の形態は、「特徴」「スタイル」「ブランド名(ネーミング)」「パッケージ」「品質」の5つの特性を持っています。

 

特に戦略を練るうえで重要なのは、商品の特性を知ることです。対象とする製品にどんな特徴があり、どれだけ種類があり、どの程度の価格帯のものがあり、誰が買うのか。これらを調べ上げることによって商品戦略の立て方はいろいろと異なってきます。
製品やサービス戦略については、多くの書籍が販売されていますので、それを参考にすることをお勧めします。自社の経験を踏まえ、これらの技法を習得することが永続的な製品・サービスの販売を可能にします。

 

②プロダクト・アイデンティティー(PI)の再定義

 

コーポレートアイデンティティ同様、製品・サービスの開発、調達、見直しにより、その品・サービスの特徴を形にする工程となります。具体的に言うと、製品・サービスを表現する品・サービス名の開発、キャッチコピーや、製品・サービスロゴなどの開発がこれにあたります。プロダクト・アイデンティティー(PI)とは品・サービスがどのようなものであるか、その個性を決めて提示することです。この部分が欠けていたり、揺らいでいたりすると、製品・サービス戦略の方向性がアピールできません。そこで、製品・サービスのコンセプトやメッセージ、ターゲットなど、「誰に向けての事業なのか」を見直し、「どのように提供していくか」を練り直すことになります。ブランドの特徴や個性を明示し、決定する作業となります。

 

③プロダクト・アイデンティティー(BI)ブランディング

 

プロダクト・アイデンティティーが決まったら、次はブランディングする作業が必要になります。それがプロダクト・ブランディングです。さて、このブランディングについて、ここで重要なお話をしてきます。経営に関わる皆様は、ブランディングについて、知らない人はいないと思われます。ただ、ブランディングの本質と、その方法を語れる人は、私が、この業界にいても明確に答えた方はほんの一握りです。ブランディング=広告戦略と答える人もいます。間違いではないのですが、正確な答えではありません。まず、なぜブランディングが必要なのかを説明します。よく例に上げるのが、飲料です。

 

例えば、皆様が、真夏にスポーツをしたとします。そこで、販売機の前に立ったとします。そこで連想するもの何でしょうか?コカコーラという人もいれば、ポカリスエットという人もいるでしょう。このことをブランド連想といいますが、この連想率が多ければ、多い程、比例して売上が伸びるのです。だから認知率を上げる為に、広告=ブランディングのような解釈が生まれるのです。

 

しかし、ブランディングの本質はここにはありません。例えば、近くに人気の定食屋さんがあるとします。当然、そのお店は広告活動をしているはずがありません。ふらっと立ち寄ったお客が、たまたま食べたカツ丼が美味しかった。そこでリピーターになったとします。この店は、美味しいと誰かに伝え、これは口コミ効果となって、さらにお客を呼ぶのです。そう、ブランディングの本質は、やはり、良い製品・サービスをつくることであり、さらに、お客に、これを体験させることです。その際、プロダクトのアイデンティティー(個性)を伝え、お客に良質な印象を持ってもらうのです。我が社のブランディング戦略は、まずは、ファクト(事実形成)に主眼が置かれます。要は製品・サービスづくりから、その製品・サービの体験を重視していきます。すると口コミ効果なども手伝い、次第にお客の深層に、当該製品・サービが定着していくのです。そのため、広告は反比例して必要なくなり、あくまでも広告はブランディングの補完的存在として捉えます。さらにブランドの現在進行形のイングがつくのは、これらの活動を中長期的に継続する意味となっています。

 

我が社の顧客に、スイスの高級時計メーカーの「ブラとリング」の事例を説明しましょう。

 

この時計メーカーは、パイロットが使用する航空時計という特色があり、100万以上の価格がします。しかも、この時計は低迷する時計業界でも勝ち組となり、現在も販売は好調です。

 

では、彼らはこの時計のブランディングをどのように行っているか?

 

なんと、毎年多くの航空イベントを主催、プロデュースしているのです。また、優秀なパイロットに積極的なスポンサーを行い、航空時計としての立ち位置を常にキープし、認知度を上げています。

 

テレビCMをたまにはやるのですが、一番重視しているのは、やはり顧客、顧客予備軍へ時計に触れる機会を、この航空ショーや店舗等で数多くつくています。

 

このメーカーは、この「急がば回れ」をよく心得ており全く手抜きをしないことで、現在の立ち位置をキープしているのです。
反対にブランディングを軽視し、売りに明け暮れている時計メーカーは売上下落の一途となっています。

 

このように、ブランディングは=広告ではないことがおわかりいただけたと思います。

 

まずは、良質な製品・サービスの開発がブランディングの本質であり、いかに、その製品・サービスを継続的に体感していただくかが大事なのです。

 

一旦、ブランド形成できた製品・サービスのは多くの便益をもたらします。

 

その過価格差はモノによりますが、10倍とも、11oo倍とも言われています。

 

そう、例えば女性がバックを買う場合、ノンブランドよりも、ブランドバッグに多額なお金を払うのは、まさにブランド力があるからです。

 

④価格戦略

 

商品やサービスについて利益計画を立て、それに基づいて価格を決定するのが価格戦略です。「高価格戦略」「中価格戦略」「低価格戦略」と大きく分けて3種類あります。以前ハンバーガーや牛丼など、安売りの「低価格戦争」が繰り広げられ、あまり効果が上がらなかったのは、記憶に新しいのではないでしょうか。逆に「高価格」の戦略を取り、プレミア感を出すというのもひとつの手法です。「今だけ特価」といった割引など、商品を販売するうえでいろいろなアイデアが生まれやすいのですが、柔軟な姿勢で取り組まなければ損を生んでしまいかねない危険性もはらんでいるので慎重さが必要です。マーケティング戦略立案上、とても重要な要素です。さて、価格戦略も奥が深く、様々な手法があるのですが、ここも一つだけ事例を紹介します。

 

我が社が戦略サポートしているのは、企業だけではありません。例えばアスリートであったり、芸能人などもサポートすることがあります。前項の航空というつながりで紹介したいのが、その一人に室屋義秀というエアレースのパイロットです。エアレースとは、大手飲料メーカーが主催している飛行機のレース「レッドブルエアレース」です。

 

みなさまもテレビで一度は見た事あるのではないでしょうか?

 

彼とは十数年前にとある航空関連のイベントで出会い、その際、「芦田さん、航空ショーチーム」を立ち上げたいのでサポートしてくれませんか」という依頼をされたのです。

 

私も飛行機好き(パイロットのラインセンスを持っています)ということもあったので、これを快く引き受けました。

しかし、航空ショーのチームを立ち上げたいといっても実績もありませので、どのように彼の想いを形にするか悩みました。仮に航空ショーのを立ち上げたとしても、世界的に見ても、エアーショーパイロットのみで生計を立てているパイロットは皆無だったのです。

 

それでも、まずは、実績なくとも、彼をサポートしてくれるスポンサー探しや、彼のエアショーにお金を払ってくれる自治体を探しましたが、どれも彼に実績がないということで断られ続けました。

 

であるなら一回「無償で飛べば良いのでは」と、今度は戦略を変えてアプローチしたのです。

 

そこで飛ばしてくれたのはレース会場でした。

 

その一回だけの実績は功を奏し、次々とエアショーの依頼が舞い込み、ついに「レッドブルエアレース」からお誘いがかかり、なんと2016年に世界一になることができました。

 

そう、価格戦略はこの「無償」も含まれますが、実際は高度なデータ分析を行い算出することをお勧めします。こちらも関連書籍を手にとっていただければ幸いです。

 

 

 

⑤プロモーション戦略

 

プロモーション戦略は顧客の消費行動促すことを想定した戦略で、商品、価格などの要素を織り込みながら展開されています。そのため消費者がどのように企業や商品、サービスを知り、購買や導入に至るのかが注目されます。商品が目につけばやがて欲しくなるのは人の常です。通販番組のように、情報番組のスタイルを取りながらCMとする「インフォマーシャル」といった手法もありますた。メディアが多様化している現在、今後どんな新たなプロモーション戦略が出てくるか、楽しみな分野でもあります。

 

さて、製品・サービス戦略の説明で、良い製品・サービスには、プロモーションは必要がないかもしれないと言いましたが、私がこの考えを改めた経緯をお話しします。私が広告の制作会社をしているころ、この製品・サービスは、むしろ社会に害悪なのではないかと思うケースが多くありました。その反対に、社会や消費者に優しい製品・サービもあるのです。しかし、後者の企業は必ずしもプロモーションが上手なわけではありません。それでも良い製品・サービスが社会に普及すれば、もっと良い社会ができると思ったのです。そう、埋没してしまうのは社会の損失だと考えたのです。また、良い製品・サービスは多額な広告費用をかけずとも、次第に社会に広まる傾向もあります。

 

 

各施策を有機的につなぐ。プロモーションマップとは

私がCMプロデューサーだったこともあり、マーケティングやプロモーションは、もっとも得意な分野のひとつです。マーケティング戦略の中でも、プロモーション戦略はその経験が反映されており、新しいプロモーション戦略を常に模索し、提案しています。
そんな中で、プロモーションにおける細かな手法をいくつかの固まりとし、それらを有機的に結合する方法をつくりました。それが次の「プロモーションマップ」です。

 

「プロモーションマップ」は、縦軸を認知、横軸を実施フローとしてあり、目標に向けて広告制作からプロモーション全般までを有機的に結びつけて、実施する活動です。

さて、このプロモーションの設計のコツを説召します。

 

図をご覧ください。縦に、売上や認知度を取り、横に、プロモーションのフローを書き出します。

 

次に、左下にキャンペーン設計を入れ、さらにプロモーション活動に必要な要素(後述)を全てプロットします。

 

 

 

製品・サービスの購買には、消費者購買行動というものがあります。

 

例えば、広告等により、皆様が商品・サービスを認知したとします。

 

その後、その製品を買うかを決める為に、WEBサイト等で、その製品の下調べをします。

 

結果、購入したら、今度は、友人に自慢したり、SNSに投稿したりし、さらに、その製品・サービスを周囲に知らしめます。これを消費者購買行動と言います。この購買パターンは、複数あり、もちろん個人によっても違います。しかし、大方のパターンは共通していて、これを把握することがプロモーション設計に必要になるのです。

 

この消費者購買行動を読み、まずは、プロモーションのためのインフラづくりの設計が必要なのです。

 

 

 

まず、前述した製品・サービスの開発や調達が良いものであれば、それは社会的なインパクトとなるはずです。この製品・サービスの善し悪しが、プロモーションの正否を分ける事は言う迄もありません。また、プロモーション費用も少なくすみます。

 

さて、プロモーションの順番は、キャンペーンから入ります。キャンペーンは、商品・サービスにかなりのインパクトがあれば必要ありませんが、販売促進に有効な手段なので、一旦検討する必要があります。ハイブランドの製品なら、やらなくてもよいですが、自社がどのような製品・サービスなのか、キャンペーンのメリット・デメリットを考慮し、実施することを検討してください。仮に、キャンペーンを行う場合は、このプロモーション設計の核にになる場合があるので、最初に考える必要があるのです。

 

その後、PRの設計を行います。 PRとは、この場合プレスリリースの略で、主にマスコミに、自社の製品・サービスを知らせる活動です。製品・サービスにインパクトが強ければ強い程、まるでテコの原理のように、多くのマスコミに取り上げられるという結果を生み出します。

 

このことを「ノンペイドパブリシティ」と言います。これは広告料金を使わず、企業側から情報提供や協力などをメディアに働きかけることによって取り上げてもらい、宣伝効果を得る方法です。メディアに興味を持ってもらえなければ無駄になってしまいますが、当たれば無償で莫大な宣伝ができます。分かりやすい例としては、ワイドショーで紹介されたり、「ユーチューバー」に取り上げてもらったりするケースがこれに相当します。このような低コストのプロモーション設計も、「ストラテジック・コミュニケーション・デザイン」の特徴です。

 

さて、多くの消費者が、これら「ノンペイドパブリシティ」で製品を認知し、関心を持った場合、多くの場合、WEBサイト等で確認作業を行うでしょう。当然、WEBサイトが検索されやすいように、様々な仕掛けを行う必要があります。WEBサイトの検索後は、消費者を今度は販売へ繋げなければなりません。キャンペーンの設計や、店舗やECサイトの紹介等を的確に行う必要があるのです。

 

また、発売する製品・サービスにインパクトが期待されない場合は、優良の広告出稿が必要です。テレビCM、雑誌広告、新聞広告、ラジオ広告などのマス広告に始まり、今盛んなWEB広告もあります。BtoB(企業対企業のビジネス)なら、展示会等の出展もプロモーション活動に入ります。 このように、消費者の購買パターンを読み切り、インフラを整えることで、劇的な販売促進が可能となります。

 

ユニークなプロモーション戦略の一例を紹介しましょう。

 

カナダで有名なシリアルのブランド「シュレディーズ」が起こした「奇跡」です。通常のシュレディーズというシリアルは、四角に格子模様の入ったような形をしています。この製品の発売はかなり古く、ファンが高齢化することで消費が落ち、かつ前時代的なブランドイメージが形成されていました。結果、売り上げが低迷したのです。

 

そこで考え出されたのが、既存の商品を変えずに行われたプロモーションでした。そもそも四角い形のシュレディーズを45度斜めに置き、菱形に見えることから新製品「ダイヤモンド・シュレディーズ」として発売したのです。

 

その際に「製造過程で、何と菱形の”ダイヤモンド・シュレディーズ”が偶然生まれた」というCMを打ちました。ただのジョークだったのですが、この「落ち」が話題となり、ネットや口コミで拡散されました。また「あなたは四角派、それともダイヤモンド派?」という人気投票を実施したところ、6対4でダイヤモンド派が勝利したといい、「ダイヤモンド・シュレディーズを買ったのに四角が入っていた」という苦情まで生まれたとか。このPR手法が当たってブランドイメージの若返りもかない、通常売り上げの20%増に成功したそうです。こんな何の変哲もないことでも、PRの仕方だけで大きく違いが出てくるのです。ウソのようなホントの話です。

 

その背景には、マス広告やネットを有機的に結び、話題を上手に拡散したことによる勝利がありました。

 

さて、次項からは、この「プロモーションマップ」の構成要素を紹介します。参考程度ですが、プロモーション要素の確認項目として見てください。

 

 

プロモーションマップを形作る構成要素

1.キャンペーン設計

キャンペーンとは一般的に組織的な宣伝活動のことをいいます。特に、一定期間に特定の目的に対して行われる活動を指します。企業の商品売り出しの企画、商品購入者に対するプレゼントや懸賞として、賞金や割引券、優待券、家電製品、乗用車、その他商品関係のノベルティーグッズが贈呈されるケースが多く、キャンペーンとひとくちにいっても多様な形があります。

 

キャンペーンのメリット

 

売り上げや新規会員獲得などユーザーに対して期間を限定して、特典やプレゼンなどを設定することで、購入や販売の増加が見込めます。

 

例えば特別割引があれば、より多くの人が「この機会に買いたい」とおもうでしょうし、「初回購入は無料」とすれば、見込み客の心理的なハードルを下げ、新規顧客の獲得につながります。商品・サービスに応じてさまざまな方法を実施することで、通常時より短期間で顧客や購入件数の増加が狙えるメリットがあります。

 

キャンペーンの種類

 

①販売キャンペーン

 

1.新商品特別価格

 

「新商品を○日~○日まで20%オフ」「新商品を○○個限定で20%オフ」などのタイプです。「新商品」というだけで販促効果は高くなります。そこに特別割引があれば、さらに多くの人を購入へと結びつけられます。効果的に新商品を販売できるオ方法です。

 

2.初回購入特別価格

 

初回購入者に対する心理的ハードルを下げ、購買につなげる方法です。具体的には、「初回の方は1万円のサービスが、5千円で受けられます」「初回無料」などがあります。新規客を集めやすく、またいつでも使える便利な方法です。

 

3.プレゼント

 

「○○をお買い上げの方には△△をプレゼント」という、よくある方法です。 購入商品と関連したものがプレゼントであれば、なお魅力的です。購買を促進させるためにこれまで長く行われてきた手法です。

 

4.下取り販売

 

以前販売した商品を引取り、その下取り価格分を値引きする方法です。昨今のエコブームにもつながり、イメージアップに一役買います。店舗商売であれば、下取りの機会にお店に足を運んでもらえるため、「ついで買い」も期待できます。

 

5.予約割引

 

「ご予約いただいた方には10%OFF」「ご予約を頂いた方には、○○を差し上げます」など、あらかじめ予約を取ることで、販売数をある程度把握でき、在庫リスクを少なくすることができるので、ユーザーにも売る側にもメリットがあります。

 

6.返金保証

 

「商品に満足されなかった場合、代金の返金を約束します」「○日以内に効果がなければ全額返金」というタイプのサービスで、ユーザーの購入前の不安を取り除くことによって購入へとつながります。

 

 

②プレミアムキャンペーン

 

商品の認知や購入の促進を目的とした、販促の常套的施策がプレミアムキャンペーンです。商品の購入を条件としない「オープンタイプ」と、購入を条件とする「クローズドタイプ」に大別できます。

 

1.オープンタイプ

 

誰でも応募できる簡単なクイズなどを実施し、豪華なプレミアムを提供して話題を呼び、商品の認知度を高めたり、販売を促したりする効果があります。

 

2.クローズドタイプ

 

例えば商品を買った人だけにプレミアムを提供するタイプです。買った人全員への総付け(べた付け)プレミアムや店頭抽選、応募抽選プレミアムなどがあり、購入の促進やブランド力のアップが期待できます。

 

 

 

今後重要なキャンペーン構築の要素

 

これまでどちらかといえば「広告戦略」に付随する形での「マスプロモーション」ばかりが強調されていましたが、「広告」にはないコミュニケーションの機能として「顧客とのリレーション強化」のためのプロモーションが増加しています。

 

それが「既存・ロイヤル顧客重視」や「顧客参加型」、「顧客への企業姿勢・体質の伝達」です。

 

キャンペーンにはインターネットの活用されており、顧客に対して直接働きかける傾向は今後さらに強まると思われます。

 

 

2.PR施策

PR(Public Relations)とは、企業や団体が、自分たちの意見や思想、立場、視点を理解してもらい、広めることを目的にした活動のことです。

 

企業の場合、その対象は一般大衆、消費者、社員やその関係者、販売業者、仕入先の関係業者、株主など、関係するありとあらゆるステークホルダーに及びます。

 

最も影響力があるPRは、テレビや雑誌、新聞などのメディアに露出することです。これを「パブリシティ」といいますが、広告とは違い、公共性の高いいわゆるマスコミが、第三者の視点で企業の取り組みを取材し、紹介してくれるため、視聴者や読者に対して強力なアプローチをかけることが可能となります。

 

費用を払ってマスコミのスペースや時間を「買う」広告は、マスコミ側にとっても商売ですから、必ず掲載してくれます。ところが、PRは企業側の働きかけによってマスコミ側に「話を聞く価値がある」と判断してもらう活動であり、マスコミに取材に来てもらわなければなりません。 つまり、費用を払えば広告は「必ず」メディアに露出ができますが、PRはメディアの判断に委ねるため、露出する保障がありません。

 

あらゆるステークホルダーと信頼関係を築き、長い目で見て企業の価値や良さを理解していってもらうためには、欠かせないのがPRといえます。

 

PRのメリット

 

広告にかける費用よりも低コストで行うことができるのが、PRの最大のメリットですが、ほかにも次のような効果があります。

 

①企業・商品の信頼性が高まる

 

PRの目的は、広告と同じように商品やサービスの売り上げ向上にありますが、それだけではありません。プレスリリースや記者発表などを発表して各マスコミメディアにニュースとして取り上げてもらうことで、より信頼度が高くなります。日頃から研究開発をしていることや、環境問題に取り組んでいることなどをアピールすることができれば、優良企業であることを大衆やステークホルダーに印象付けることができるでしょう。また、情報の開示をしっかりとしている企業として、信頼度も高まります。

 

②ユーザーの認知度が高まる

 

ひとつの商品やサービスに対して、新聞や雑誌、テレビやラジオなどで「情報」として取り上げてもらうことで、広告のような一方的なものではなく、より大衆(パブリックユーザー)の認知度や信頼度が高くなります。

 

PRの種類

 

メディアの発達により、テレビや新聞だけでなく、インターネットによるブログやSNSなど、より幅広く情報拡散できる手段が増えてきました。現時点で主だった情報のリリース方法は次のようなものが挙げられます。

 

①リアル系プレスリリース

 

民間企業などから報道機関向けに発表された声明や資料のことで、大手マスコミや業界新聞や雑誌に向けて資料を配布します。
配布した資料の内容に対して「おもしろい」「ニュース性がある」と判断された場合は取材依頼がきます。取材を受け、紙面に掲載されることで、メディア露出され問い合わせへとつながります。
メールやFAXや郵送、手渡しなどで行われる、従来型の手段です。

 

①-2 ネット系プレスリリース

 

ネットPRサービスを活用して、ネット媒体へプレスリリースを行います。ここでのネット媒体とは、ホームページ、メール、FacebookなどのSNSが利用されます。メールや紙媒体からWebサイトに誘導するなど、複合型のネット系プレスリリースも行われています。情報はFAX&メールで雑誌、新聞、ニュースサイト、通信社、TV、ラジオ、フリーぺーパーなど、主要メディアから専門誌まで、一斉配信されます。
この情報に興味を持ってもらった場合には、前述同様、取材依頼が来て、メディアに露出させることができます。
またWeb上にリリース情報として残るため、ユーザーや企業から検索されてヒットし、後々話題になるなどのケースもあります。

 

②メーリング(DM、メールマガジン)

 

企業内に顧客データベースがあれば、顧客に直接PRすることも可能です。ここで主に使われてきたのが、顧客へ直接情報を郵送するDM(ダイレクトメール)です。また、メールアドレスも取得していたなら、顧客に向けて直接メールを一斉送信したり、定期的にメールマガジンの形式で情報提供を行います。

 

対象はすでに商品や企業に興味がある人々ですから、確実に情報を伝えられることがメリットです。

3.Webサイトの制作

広告メディアの観点から見ると、日本の広告費において、2012年度に新聞を抜き去り、その重要度は置き換えがたいものとなりました。現在、Webサイトのない企業はないといっても過言ではない状況です。

 

Webサイトには、自社の「会社案内」やIR情報を提供することが目的のコーポレートサイトや、Web上で見込み客の「集客」を行い、さらに「販売」まで行える機能を持ったネットショップなど、目的によってさまざまなタイプがあり、制作側も目的に応じた構築が必要です。Webサイトはすぐに更新できるメリットがあるので、その特性を生かした速やかな対応を考慮して運用することが大切です。

 

前述した経営理念の章で説明した、スポーツトイのメーカーの話には続きがあります。

 

そう、当初依頼されたWEBサイトのその後の効果についてです。

 

WEBサイトの依頼の際、理念・企業ドメインを策定したことはお話した通りですが、社長の要望つとしては、Webサイトを通して実際に購入するユーザーだけではなく、大手店舗を持つおもちゃの販売会社に商品を流通したい。我が社が商社である役割があることも強く訴えたい」ということもあったのです。これで、ターゲットが2つあることが明確になりました。サイト制作は両者を意識し、特にこれまで欠けていた流通部門に力を入れたつくりにしようという方向性が決まりました。

 

そして、出来上がり、社長のスポーツトイの愛する気持ちや社会貢献性が伝わったのか、おもちゃの販売会社との取引が拡大していったのです。

 

実際、BtoBのような企業間の取引を行っている会社の経営幹部は、WEBサイトの必要性をあまり感じてないケースが多くあります。その証拠に10年以上、WEBサイトを更新してない会社が多く見られます。

 

WEBサイトは、一般的に、取引する製品・サービスの単価が高額なほど数多く閲覧されている傾向があります。例えば、日用品などの、飲料やお菓子などは、一旦WEBサイトで商品を比較検討することはあまり行われないでしょう。
しかし、車や住宅など、高額になればなるほど、消費者は購買に慎重になり、WEBサイトで事前調査をするようになるのです。
その最たるものがBtoBの取引です。

 

例えば、あるメーカーが営業に来た下請け会社のプレゼンを受けたとします。

 

その取引は高額になればなるほど、下請け会社の信用やブランド力が必要になってきます。

 

通常、営業行為は会社パンフレットを使う事が多いのですが、メーカー担当者が、この下請けの提案を受けたいと思っても、上司の認証が必要になるのです。

 

そこで、手元にパンフレットがあったとして、それら上司は、下請け会社の確認し、その会社のWebサイトを確認してしまうのです。 現に、とある会社が営業キャンペーンをした場合、やはりアクセス数は増える傾向にあらりますし、WEBサイトの情報が決定打となり大口の取引が決まったケースも少なくないのです。

 

また、メーカーが下請け企業を探す場合も、やはりWEBサイトを使用するケースが少なくないのです。

 

よって、自社の特徴や製品・サービスの内容をきちんとWEBサイトに反映することは、とても大事なのです。

 

社員採用も同様です。ダサいWebサイトを放置しているようでは、新卒や転職組が目を向けようとする意欲を失うのは当然です。

 

①販売促進 / 営業支援

 

自社製品の説明やメリット、イメージ、製品のこだわりなどを掲載することでWeb閲覧者に購入の検討をさせることができます。

 

②ステークホルダーの信頼性向上

 

企業情報やIR情報、製品のこだわり、受賞・メディア掲載情報などを掲載することで、商品購入者や取引先、銀行などの利害関係者から信頼を得ることことができます。

 

③リクルーティング

 

リクルートに活用することを目的とします。新卒・中途人材はWebサイトに掲載されている募集要項や事業内容、企業理念などを見て応募するかどうかを判断しするので、これを軽視すると人は集まりません。

 

④問い合わせ / 受注

 

問い合わせフォームやカート機能をWebサイトに導入することで、閲覧者とのコミュニケーション、受注につなげることができます。

 

Webサイトの種類

 

コーポレート(企業)サイト

 

企業の情報をすべて掲載し、実質、企業の顔ともいうべきWEBサイト。

 

活用目的は、営業支援、ステークホルダーの信頼性向上、リクルーティング、問い合わせ。

 

キャンペーンサイト

 

商品や企業、サービスなどでキャンペーンを行う際のみに制作されるスペシャルサイト。 活用目的は、販売促進、問い合わせ、受注。

 

商品サイト(サービス紹介サイト含む)

 

商品のみの情報を詳細に紹介したサイト。ブランドやシリーズでまとめて制作されることも多い。
活用目的は、営業支援、販売促進、問い合わせ、受注。

 

ランディングページ

 

インターネット広告や、検索エンジンの検索結果からのリンク先となるウェブページ。検索ワードの目的により合致した情報のみを掲載し、的確に商品やサービス、および情報を伝えることを目的としたサイト。通常1ページのみのシンプルな構成で制作されます。必ずしも自社サイトのトップページである必要はありません。

 

活用目的は、販売促進、受注。

 

Web広告活用のメリット

 

目的に応じてサイトやWebプロモーション構築を実施することで、目標を達成しやすくなります。Webサイトは情報伝達メディアとして他のメディアと比較すると、自社で完全にコントロールできる点がメリットとなります。

 

インターネットによる販売の形式もいろいろあり、自社ECサイトの構築や大手販売サイトへの出品など、それぞれの手法によって売り上げや利益の配分が変化します。いくつかの方法を組み合わせて実施することで、ネットを通して商品認知を上げながら売り上げを増大させていくことが必要となってきます。

 

Web広告運用の考え方

 

Web広告とは、企業のHPやオンラインショップなどに誘引するためにWebを使った広告です。ユーザーがオンラインサービスを利用する際に出くわす広告すべてがWeb広告に当たります。

 

WEB広告の前に、しなければならないことがあります。

 

それはSEM(サーチ・エンジン・マーケティング/SEOと呼ぶ場合もある)といって、自社のWEBサイトを検索上位に表示させる技法のことをさします。皆様が検索ワードをヤフーやグーグルに入力した場合、目的とするサイトが表示されるのは周知でしょう。企業としては、この表示が行われる際、一ページに上がるのと、上がらないのでは、販売等の結果値に雲泥の差が生じます。
また、一ページに表示されるようになれば、WEB広告に多額な費用をかける必要もありません。どのように一ページに表示させるか、文字通り、企業は心血を注いでSEMを行っています。

 

この技法も、多くの関連本が出版されていますので、そちらを参照してください。

 

WEB広告は、どのような人が閲覧・視聴するか分からない大人数を対象としたマス広告などと異なり、閲覧者のカテゴリを区別して配信したり、閲覧状況や検索状況から趣味嗜好などを分析して配信内容などを変えたりと、ユーザー個人に対して異なった広告を配信する方法もあります。代表的なものとして、サーチエンジンなどの検索ワードによって好みを把握して表示する「リスティング広告」や、表示されたサイトに嗜好を反映させた「ディスプレイ広告」、一度でも訪問した閲覧者にだけ表示する「リターゲティング広告」などが挙げられます。

 

Web広告は組み合わせ方次第で、PDCAを効果的に回していくことができます。さまざまな広告の特性を踏まえて組み合わせ、運用していくこと。さらにそこで得られた広告配信の結果解析データを、以後の広告運用にも活用していくことが大切です。

 

Web広告の種類

 

Web広告はIT技術の進歩により、どんどん多様化してきました。近年では、匿名の膨大なデータ(ビッグデータ)の取得と解析技術が進み、より新しいWeb広告が登場してくることが予測できます。

 

そんななか、現在主流となっているWeb広告は次のようなものが挙げられます。

 

①検索クリック型広告(リスティング広告)

 

GoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジンの、検索結果画面に掲載されるクリック課金型のインターネット広告で、興味や関心の高いユーザーにアプローチを行いやすいものです。

 

特定のキーワードを検索した人の検索結果画面に、関連した広告を掲載することができます。

 

現在、日本で利用できる 検索クリック型広告 は、GoogleやBIGLOBE、@niftyなどに広告を掲載できるGoogle社の「アドワーズ」と、Yahoo!JAPANやmsn、FreshEYEなどに広告を掲載できるオーバーチュア社の「スポンサードサーチ」の2種類が主流となっています。

 

検索クリック型広告のメリット

 

検索クリック型広告 では、検索されたときに広告を表示するキーワードを、広告主が自由に選択できます。キーワードの数にも制限がありません。また、広告出稿から実際に広告が掲載されるまでの期間が短いのも魅力的です(アドワーズは一部キーワードを除き出稿後すぐ掲載開始、オーバーチュアは5営業日以内に掲載開始)。

 

自社のインターネットビジネスに関連が深いキーワードであるにもかかわらず、SEO(検索エンジン最適化:これにより検索結果の上位に表示することが可能)で検索エンジンの上位表示が難しいキーワードがある場合は、検索クリック型広告 の併用が効果的です。いくつでも、好きなキーワードの検索結果画面に、確実に自社サイトのURLを表示することができます。

 

検索クリック型広告のデメリット

 

その一方、デメリットもあります。検索クリック型広告の料金は、検索数に連動しているため、「ラーメン」「野菜」など当てはまる分野がたくさんあり、ヒット数が多くなる「ビッグワード」を指定すると、高額になってしまう場合があります。

 

また、同じ検索ワードをを指定しても、次第に広告会社の都合で価格が上がっていったり、同じ費用投下に対して効果のある期間が短くなってしまう場合があります。

 

②アフィリエイト広告

 

成果報酬型のインターネット広告が「アフィリエイト広告」です。商品購入や資料請求などの、最終成果またはクリックが発生した件数に応じて広告費用を支払うもので、広告掲載時は基本的に費用がかかりません。

 

ただしアフィリエイト広告を利用するには、アフィリエイトプログラムをWebサイト内に導入する必要があります。アフィリエイトプログラムを導入すると、そのプログラムに掲載先として参加しているウェブサイト(=アフィリエイトサイト)やメールマガジンに広告を掲載してもらい、広告経由で発生した最終成果のみを計測することで料金が決まります。

 

アフィリエイト広告のメリット

 

アフィリエイト広告は、広告掲載に対するコストではなく、商品購入や資料請求などの最終成果の発生件数に応じて広告費用が課金されます。そのため、広告主にとってはムダな広告コストを省き、効率よく成果が獲得できることが最大のメリットです。成果が発生すると、広告主はアフィリエイト広告の掲載先となるウェブサイトやメールマガジンの運営者(=アフィリエイター)に、成果件数に応じて、事前に設定した報酬額を支払います。広告を掲載する側も、より多くの成果を獲得するため、広告の掲載場所や商品の紹介方法などに工夫を施します。

 

アフィリエイト広告のデメリット

 

アフィリエイト広告は、アフィリエイトサイトの運営者によって掲載する広告が選ばれるため、次のようなリスクがあります。
1.アフィリエイターに選ばれなければ、そもそも掲載されない。

 

2.アフィリエイターの判断によって掲載が取り消されるので、キャンペーンなどと連動しづらい。

 

3.信頼性のないアフィリエイトサイトに掲載される場合があるので、広告掲載が逆に信頼性を失う場合がある。

 

アフィリエイト広告は安価な分、宣伝したい側の思いどおりにはいかない場合があるということです。

 

③ターゲティング型広告(DSP)

 

特定の顧客を狙った広告を配信することで、さらにユーザーの特性を絞り込んで契約する可能性の高いユーザーを自社サイトに誘引させるための施策が、ターゲティング配信型広告(DSP)です。ターゲティング型広告には主に4つの機能分類ができます。

 

1.リターゲティング

 

1度はサイトを訪問してくれたユーザに対して広告を出すこと可能です。そのユーザがYahoo!やGoogle、あるいはその提携しているパートナーサイトのコンテンツを見ているときにバナー広告やテキスト広告を表示させることができます。

 

2.インタレストカテゴリ

 

例えば、「オーガニック&ナチュラルフーズ」「ガーデニング」「ファーマーズマーケット」などターゲットが好みそうなカテゴリを選択し、該当するターゲットに広告を配信します。

 

3.オフィスターゲティング

 

指定する業種の閲覧者に配信できます。BtoB向けのサービスなどと相性が良いでしょう。

 

4.その他:エリア、天候連動

 

登録した地点においての配信や、その登録した地点の天候によって配信の有無など決めることもできます。

 

ターゲティング型広告のメリット

 

事前に設定したターゲット層に、ピンポイントに広告を配信できます。 顧客の検索履歴のデータを解析して絞り込み(データマイニング)、的確なターゲット配信を可能にするだけでなく、リスティング機能をプラスすることで、広告主への投資リスクをなくしています。

 

ターゲティング型広告のデメリット

 

DSPはある程度ターゲットをセグメントしているとはいえ、そのセグメントは「予測値」でしかなく、理想としているユーザーに「正確に」、そして「限定的に」配信することが現状はできません。

 

④その他のWeb広告

 

1.SNS広告

 

TwitterやFacebook等SNSのタイムラインに表示される広告。ユーザー間でシェアされて拡散されることが期待できます。

 

2.記事広告(タイアップ広告)

 

広告主側ではなく掲載メディア(媒体)側が制作し、自らのコンテンツの一部として掲載する広告のことです。

 

3.ブログ広告

 

タレントや人気ブロガーらに依頼し、企業のサービスや商品をブログで紹介する広告。体験談として記事を掲載するので、信憑性や信頼性も高く、記事も永続的に残るため長期的な効果を期待できます。ただし、やりすぎると「ステマ(ステルス・マーケティング)」として炎上することもあるので、注意が必要です。

 

4.メール広告

 

電子メール(Eメール)に掲載される広告の総称。ダイレクトメール(DM)の電子メール版といえます。 インターネット媒体の中でも会員情報を所持している会社が配信を行います。

 

 

4.マスメディア広告

マスメディアとは、一般的には主要4媒体として新聞・雑誌・テレビ・ラジオの広告を指し、旧来のマーケティング活動においては重要な位置を占めていました。

 

しかし、これら4媒体からインターネット広告が台頭し、メディアとしての勢いをますます加速させています。

 

特にユーザーのメディアの主たる接触対象がモバイル端末に移行していることは明らかで、これまでの旧来のマス広告による「不特定多数の大衆」から、「ポテンシャルの高い特定の個人」とダイレクトにつながるメディアとしてインターネット広告はますます広告のシェアの拡大が予測されます。

 

現在、広告シェアが最も大きなテレビにおいてもキー局をはじめモバイルユーザーを対象とした施策に取り組み始めています。
例えば、モバイルを対象とした在京民放5社による動画配信サービス「Tver」やテレビ局とネット事業者と組んだ「AbemaTV」といったアプリをダウンロードし、見逃した番組や独自のコンテンツを楽しめる環境が急速に普及拡大しています。

 

旧来のマス4媒体とインターネット、特にモバイルとのクロスメディアマーケティングを踏まえた適切な活用が必須です。
CMをはじめとして、マスメディアを通じて広告を展開することは、一般に認知を広める上では、高額ながら不特定多数に商品・サービスを広く比較的に短期間で認知させる効果が期待できます。

 

◯テレビメディア

 

1.CM

 

日本の民間放送局のうち、地上波放送局、地上民放系BSデジタル局、ラジオ放送局などは、通常、CMを放送することで広告主(スポンサー)からの広告料によって利益を得ており、一本のCMの時間は、テレビでは15秒、30秒が多く、ラジオでは20秒から1分程度のものまである。

 

その影響力は一次よりも少なくなったと言われるが、放送時間、ターゲットを間違えなければ、強いと言える。

 

2.通販番組(スポットCM方式、インフォマーシャル方式、キャラバン方式)

 

通販番組を制作し、ダイレクトに消費者にとどける販売方式です。CSやBS、または民放各局で費用はそれぞれ変わりますが、テレビという媒体を使用することで、消費者が理解しやすく購入までに時間をおかずに訴求することが可能です。

 

通販番組にも様々な方式があります。

 

◯新聞広告

 

各種商品やサービス、企業自体の宣伝などがあげられる。小さいスペースに社名や商品名だけが記載されている場合も多いが、目を引くような一面(全面)広告はそれ自体が他の媒体でも取り上げられ、さらなる宣伝効果を得る場合もある。

 

また、新聞広告は掲載費が高く、紙面の保存も容易なため、新聞広告に載るというだけで、消費者に信頼感を与える場合がある。

 

◯雑誌広告

 

雑誌の出版は種類も多く、発行部数が多ければ多い程必ずしも有効な媒体とは言えません。

 

どの層に告知したいのか、予算によっても媒体の選択は変わってきます。

 

発行部数が少なくとも業界に影響力の大きい媒体であることもあり、ターゲットを絞っていくことが、雑誌広告の狙いがぶれない要となります。

 

テレビや新聞広告が一過性の高いものであるのに対して、雑誌は回読性や保存性が高いため、他マスメディアの中でもその機能は異なります。

 

◯ラジオCM

 

ラジオCMの特長として、長尺(説明型CM)での展開が可能であり、単なる告知のみではなく、ストーリーによって聴取者の興味をひきながら組み立てることができる。

 

テレビCMと同じくタイム(番組提供)スポットと目的に合わせて展開が可能である。またテレビCMと比較してターゲットのセグメント化がある程度は容易であると言える。チャンネルのザッピングが少なく、唯一目を使わないメディアのため、ながら聴取が可能。

 

◯OOH(アウトオブホーム)

 

OOH(アウトオブホーム)とは、交通広告や屋外広告など、家庭以外の場所で接触するメディアによる広告の総称です。電車やバスなどの車内、車体や駅構内、空港、建物の屋上、壁面を利用した広告や看板、ネオンサイン、道路沿いのビルボードなどが代表的な例です。野球場やサッカースタジアムなど、スポーツ施設の広告や建築中のビルの仮囲いを利用した広告も含まれます。「OOHメディア」と呼ばれることもあります。最近では、チラシやポスター、雑誌広告の端などにQRコードを印刷し、OOH広告からモバイルサイトへ誘導するマーケティング手法が一般化しています。

 

自宅以外にあるあらゆるものがメディアとなりうるため、ユーザーの生活動線に最適な広告を実施することができます。また直接広告を見ることになるので、商品やサービスを認知するスピードは早くなります。

 

 

5.CRM

CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、顧客情報や購買情報、関係を見直すことで製品の売り上げや企業の利益率を向上させる仕組みのことです。単価が低い製品や利益を取りづらい製品、複数回購入してもらえることを想定している製品などを扱っている場合は、特に顧客との良好で長期的な関係を築くことが重要です。

 

これも関連書籍は数多く出版されていますので、ぜひ手に取って調べてみてください。

 

ちなみに、私が経験したダメな事例を紹介します。

 

私が結婚したてのころ、独身時代から乗っていた2シーターのオープンカーで、外車のカーディーラーに行きました。近い将来子供ができた場合を考えて、大きな車に興味があったからです。

 

しかし、カーディーラーに行っても2シーターのカップルは相手にしません。こちらも、まだ子供がいませんから、すぐに車がほしかったわけではありません。それが伝わったのか、営業もされず、新製品が出た場合のカタログを頂く為に連絡先のみを記入してきました。そのカーディーラーからは。その後、一回だけDMが来ただけです。その後、私は案の定子供ができ、別のカーディーラーでSUVを買いました。ところがこれで終わりではありません。その数年後、そのカーディーラーが扱うカーメーカーから仕事の依頼が来ました。なんとCRMの設計についてです。それでわかったのは、案の定、カーメーカーやカーディーラーはCRM施策を行っていなかったのです。

 

CRMの本質は、顧客と何らかの方法で長くつながることで、顧客の変化をモニタリングし、適切なタイミング製品・サービスの販売を行うことです。そのカーディーラーは、私たち夫婦の現状を見て、その場では車は買わないだろうと判断したのでしょう。しかし、本当は、その夫婦がどのように変化するかを読み取ることが大事だったのです。現に、このCRMの考えや技術をきちんと持ってる企業の業績は好調です。

 

 

6.イベント

イベントとは、実際のユーザーやその対象に興味を持っている潜在的なユーザーと、リアルな場でコミュニケーションできるプロダクトといえます。一般ユーザーに向けたイベントだけでなく、展示会などセグメントされた会場でバイヤーと商談したり、取材陣を相手に発表を実施したりする形式のイベントもあります。

 

販促イベントとしてキャンペーンやサンプリング、タッチ&トライを組み合わせてサービス・商品の認知を促すなど、ユーザーニーズのフィードバックも期待できす。

 

イベントのメリット

 

商品や企業ブランドに直接触れることで、一方的な情報発信だけでは伝わりにくいそのもの自体の「良さ」を訴求することが期待できます。

 

また、イベントにタレントやメディアを招待したり、販促イベントに合わせてキャンペーンページを開設するなどで、情報を連鎖的に広めていくことも可能です。

 

イベントには次のような種類があります。

 

①展示会

 

企業が自らの新しい商品や製品、提供するサービスなどをショーケースに展示したり、あるいはデモンストレーションしてみせるために企画される定期的なイベントのことをさします。ほとんどの場合、コンベンションセンターなどの大会場で行われますが、テーマや規模によって最適な会場が設定されるのが一般的です。

 

代表的なものとして、ゲームショーやモーターショーなどが挙げられます。企業・商品・サービスなど、それぞれに適した展示会に出展することにより、業界内同士やユーザー、バイヤーなどとの接点を持ち、商談や販売などビジネスの機会につなげることを目的としています。

 

大きい展示会になると、テレビ局や雑誌、新聞などマスメディアの取材も実施され、後の波及効果も期待できます。

 

②博覧会

 

博覧会は、多彩な分野の物品やサービス、資料などを集めて一般公開する催しのことです。大きいものでは万博があり、主に未来を見据えたテーマで出展を行うことが多いイベントです。

 

企業が出展する意義は商品の販売のほか、企業ブランドや企業ビジョンの向上などの効果があり、ブランディングに大きく寄与するイベントです。

 

③販促イベント

 

セールスプロモーションの一貫として、駅やスーパーなどの商業施設でタッチ&トライや販促物の配布などを実施するサンプリング、街頭プロモーション、記者会見や新商品発表会といった、商品の販売を促進させるイベントを意味します。ユーザーにその商品の良さを直に体験してもらうことで商品の良さを知ってもらいます。

 

 

7.購買チャネル

店舗施策とは

 

小売店頭が自店の売り上げを拡大する上で重要ですが、まずは店舗運営のための概念をしっかり設定することが大切です。そのためには、店舗を、ただ商品を売る場所にしておくのではなく、顧客とリレーションを図り、ブランディングやファンを形成する場所として見直し、顧客の課題を発掘して問題を解決する場所にすることが重要です。

 

ドミナント戦略等、多くの店舗施策を紹介したいトコロですが、こちらも簡単ではありますが、重要な要素の一部を紹介します。
店舗戦略を考える上で、3つのポイントがあります。それが「上位概念」「注意概念」「下位概念」です。

 

①上位概念

 

上位概念とは店舗コンセプトや戦略のことで、店舗で何を伝え、何をするべきかを再検討し、実施するために必要な考え方です。次のような検討項目が挙げられます。

 

・市場調査を行い、ベストな地域選定、店舗スペースの調整

 

・店舗定義の再検討

 

②中位概念

 

中位概念は、店舗を実際に稼働させるために必要な考え方で、次のようなことを検討する必要があります。

 

・可変柔軟性のある店舗運営にする

 

損益を計算したうえで、適切な人数のスタッフを雇用し、利益が出るように調整する必要があります。例えば店長には正社員を起用し、サポートスタッフとしてアルバイトとしてスタッフを採用します。長く勤めるアルバイトは多くなく、売り上げによってスタッフの数を調整できますから、可変的で柔軟性のある店舗経営が行えます。

 

・店舗の定期チェック

 

店舗を複数持つ場合には、店舗経営を定期的にチェックし、サービスの質を維持ずる役割を果たす店舗スーパーバイザーの起用と育成が必要です。

 

・コンピテンシーモデルの確立

 

「コンピテンシー」とは、参考になるような活躍をしている人や団体の行動や考え方のことです。店舗経営をする場合には、「こんな店にしたい」というコンピテンシーモデルを持つことが必要です。

 

・キャンペーンの設計

 

ポイント制の導入や、会員割引など、お得意様を中心に、クロージングで購入を促すひと押しとして、キャンペーンを設計することも考慮するのもひとつの手です。

 

 

③下位概念

 

社内的なシステムの問題について、一定の基準となる考え方を持つ必要があります。次のようなものが検討対象になります。

 

・スタッフの教育

 

「来店者の課題を解決する」、すなわち顧客満足度を高めるために、スタッフに対して接客の教育を行います。

 

・現POSの仕組みを変更

 

例えば、個別の部署でスタンドアロンで管理している情報は、他部署では使えずブラックボックス化してしまいます。そこで、組織変更やシステム変更を行い、情報の共有を図ることが必要になります。

 

・SV(スーパーバイザー)制の導入

 

組織が大きくなればなるほど、情報の共有や社員品質の維持が難しくなります。これは意外と多くの企業が抱えている問題です。

 

また店舗が増え、パートやアルバイトのスタッフが多くなるほど、入れ替わりも多くなるため、その都度教育していくわけにはいかなくなります。そこで教育体制を固める必要が出てきます。

 

そこで、上層部の意思を的確に伝えたり、下部組織の品質を一定に維持するために、取りまとめ役として、SV制を導入することが必要となります。

 

・表彰制度

 

誰でも褒められればうれしいものです。スタッフに必要なスキルを一定水準に高めたら、さらに上を目指す意欲を持たせるための方針が必要です。その一環として、比較的簡単に導入できるのが、賞与の増額や表彰精度です。これらは、スタッフの士気を上げる効果があります。

 

ECサイトとは

 

ECとはElectronic Commerceの略で、製品やサービスをオンライン上で販売するサイト。ECサイトには2種類あり、「自社サイト型」と「モール型」に分かれます。

 

「自社サイト型」は自社で使いやすいようにカスタマイズした販売カート機能や決済機能を用意し、販売サイトを構築したものです。自社サイト型EC運営には店舗運営と同じ在庫管理、受付注文管理などの業務が必要であり、そうした機能をWEBサイト上でも構築する必要があります。「モール型」は楽天市場やAmazonなどのオンライン上のモールに出店するものです。モール側が構築したシステムを利用するため、在庫管理、受付注文管理、決済システムを自社で構築しなくて済むため、導入がしやすいというメリットがあります。

 

 

実は誰もやっていないアトリビューション分析

「アトリビューション」は、ネット広告のうち、ある特定の傾向を持つ人たち向けに表示される「広告の費用対効果」を分析する手法です。

 

実際のアトリビューション分析は、WEB広告の費用対効果の算出や、消費者の購買導線や購買意向の把握が主眼に置かれますが、本質的には、WEB広告のみならず、全てのプロモーション費用の対効果の算出を行わなければなりません。

 

「プロモーションマップ」で示した通り、プロモーションのはじめは、ますは、告知から入ります。これはマス広告やWEB広告、またはDMやーリングなども含まれるのです。何の告知手段が適正かは、製品・サービスによって異なりますから、どの告知手段が最適化はわからないのです。この適正な組み合わせを探すのが、アトリビューション分析の本質なのですが、実際はこの算出を行っている企業は少ないようです。

 

その理由はいくつかあるのですが、ここでは省略させていただきます。

 

 

最適な流通戦略とは

商品を販売する場合、流通戦略は重要です。流通戦略の定義は、識者によって多く論じられていますが、みなさまにおいては、まずは問屋や量販店等の、自社の製品・サービスを一括販売してくれる企業とのパートナーシップをどのように構築するかを考えることです。

 

一旦、多くの流通会社との契約が決まれば、大量の製品・サービスの販売が期待されるので、このパートの戦略もとても重要です。

 

流通戦略の一番大事なポイントは、流通チャネルの開拓と言われています。

 

商社やネット販売会社、代理店組織等が、この流通チャネルとなります。

 

さらに詳細を説明すると、流通チャネルは、製品の最終購買者であるエンドユーザーに直接接する小売業者と、接しない卸売業者に分けられます。

 

さらに流通チャネルの意味には、商流、物流、情報流といったものがあります。これをさらに細かく分解すると、例えば、顧客開拓、受注営業、配送、ニーズ把握など営業のプロセス別にも分けることができます。流通戦略では、この各流通チャネルを機能別に分けて、どの機能に何を期待するのか?どのチャネルを強化するかが、リュ通戦略に基本となるのです。

 

 

 

流通戦略の意義

 

取り扱う商品によっては、すでにでき上がっている商習慣が存在します。また特定の商品では、卸が二段階存在することもあり、それを崩すことは困難な場合もあります。

 

もしも崩すことが可能であれば「大流通革命」として、大きなビジネスチャンスになりますが、たいていの場合は、そうはいかないでしょう。

 

流通戦略を考えるためには、さまざまな要素を考慮する必要があり、市場規模や競合の動向、製品のライフサイクルの変化などを踏まえ、常に先を見え据えたチャネル戦略の構築が、事業成功のカギを握ると言っても過言ではありません。
以下、簡単ではありますが、流通戦略の基本を紹介します。

 

流通戦略の基本政策

 

①開放的流通政策

 

開放的流通政策とは、自社製品の販売先を限定せずに、広範囲にわたって開放的に製品を流通させる政策です。

 

一気にシェア拡大できるというメリットがある一方で、チャネルのコントロールが難しく、販売管理が複雑になるなどのデメリットがあります。

 

また、同じ製品を流通業者間で販売競争させることになり、価格の下落や、ブランド力の低下、製品のイメージダウンにつながる可能性が高くなるデメリットもあります。

 

そのため、高級ブランド品よりも、消耗品のような薄利多売に向いている政策です。

 

②選択的流通政策

 

選択的流通政策とは、販売力や資金力や協力度や競合製品の取り扱い状況などに応じて、流通チャネルを選定する政策です。

 

適度にコントロールができるメリットがありますが、開放的流通政策に比べるとシェア拡大のスピードは遅くなります。

 

③排他的流通政策

 

排他的流通政策とは、特定の地域や製品の販売先に独占販売権を与える政策です。

 

このような販売先は、代理店・特約店と呼ばれます。

 

チャネルをコントロールしやすく、販売管理が容易になるメリットがある半面、チャネルである小売には競争が働かないため、積極的な販売をしなくなるデメリットがあります。