2021.10.06
WEBプロモーションの落とし穴
プロローグ
企業のマーケティング活動においてWEB活用はもはやマスト
スマートフォンやEC、SNSの普及により、企業のマーケティング活動においてWEBの活用はもはや「当たり前」と言っても過言ではありません。
広告出稿主である企業において、デジタル専門の部署があることが珍しくなく、広告の出稿額は、高額とされるTV媒体の出稿費と同等もしくはそれ以上の出稿費をWEB広告で拠出したり、WEBサイトのSEO対策、改善に専門の会社に依頼し月額数十万円以上拠出したり、WEBプロモーションにかけるコスト・労力の比重が年々高くなっている企業は少なくありません。
プロモーション担当者が直面する、WEBプロモーションにおける苦悩
どのクライアント企業もWEBプロモーションの経験を重ね、WEB広告の得意な広告代理店・SEO対策に特化したWEB会社・オウンドメディアのコンテンツ制作に特化した会社など、クライアント企業の「WEB専門」のパートナー企業は星の数ほどあるにも関わらず、クライアント企業のプロモーション担当者などからは
「プロモーションでWEBを活用することが必須と言っても、何をどのようにするのが正解かわからない」
「発注先に提案されたWEBプロモーションを言われるがまま実行しているが、成功の判断基準がなく、このままでよいのかモヤモヤしている……」
「広告代理店にWEB広告を依頼しているが、事後報告だけで運用の対応に不満がある。広告内容などの提案もなく、日々の運用もきちんとしてくれているのか疑念を抱いている」
「SEO会社に言われるがまま月に数十万円の契約をしているが、期待をしている改善をしてくれない、改善の効果を感じられない」
「オリエンはしているはずなのに、外注先に提案された内容がイマイチ自社がやりたいことと合っていない」
などなど、悩みや不満の声を聞くことは少なくありません。
WEBプロモーションの落とし穴と、トラブル回避のヒント
WEB広告だけやれば成果が上がるでしょ?は間違い。
クライアント企業がやりがちなのが「◯◯さえやれば売上が上がるでしょ?」という勘違いです。
WEBサイトを作れば興味を持ってくれる人は増える、売上が上がる、WEB広告を打ちさえすれば自社の製品を知る人は増える、売上が上がる……
効果が出せればもちろん間違いではありませんが、いつ・どんな時もそうとは限りません。
WEB広告でどれだけWEBサイトに集客を行えたとしても、商品の魅力をWEBサイトで伝えられていなければ購買につながりませんし、どれだけWEBサイトを充実させたとしても、製品が当たるターゲットがWEBサイトを閲覧してくれなければ意味がありません。
広告で多くのWEBサイト流入、充実したWEBコンテンツを用意をしても、そもそも製品自体の魅力がなければ消費者は見抜いて見向きもしてくれません。
すべての経営、マーケティング活動において言えますが、プロモーションはサッカーやバスケットボール、ラグビーなどのチームプレーを必要とするスポーツと同じです。
1人1人の選手(WEB広告、WEBサイトなど)が精度を高め、的確なパスを回し、繋がれたパスでゴールに向かう。こぼれたボールは連携して守りを固め、チームの勝利に貢献する。
これだけやれば、ではなく、様々な施策を有機的につなげて「本当の効果」を求めなければならないのです。
そもそも、その目標設定は合ってる?
WEBプロモーションでよくありがちなことは「WEB領域の企業担当者」と「WEB領域の広告代理店」が、限定的な視点で目標設定を行って進めることです。上記の担当者たちは、KGI(Key Goal Indicator/重要目標達成指標)は、EC売上金額◯◯円、注文・問い合わせ◯◯件、KPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)は訪問者数20%増加、CVR(コンバージョン率)5%増加など設定することが多く、それ自体は間違っていませんが、「そもそも」の視点が抜け落ちている場合が少なくありません。
元の「このWEBサイトはそもそも何のために作っているのか? そのために現在掲載するコンテンツは合っているのか?」「その広告はなんのためにやるのか?」という視点が抜け落ちてしまい、サービスAのファン化を目的としているオウンドメディアなのに、サービスのファン化につながらない記事を持ってきてとにかく閲覧数を向上させようとしてしまったり、知名度のない製品Bに対して、WEBサイトの改善に予算を割いてしまい、十分な広告露出をできていない&WEBサイトも閲覧されない、そもそもターゲットに当てるにはWEBが向かない、という事態になってしまったり……
そもそも製品やブランドのマーケティング活動全体でどのような課題や目標があり、それを踏まえてWEBプロモーション全体やWEBサイト、WEB広告に何を求めるべきか、何が必要なのかを考えたうえで、WEBプロモーション上のKPIの設定をする必要があります。場合によっては、WEBを活用にしない、もしくは現状すでに存在しているWEBサイトのコンテンツを否定することになってしまうこともあるでしょう。
これは特にWEB専門のパートナー会社に相談すると「WEB領域に限った話」になってしまうことが多いので注意しましょう。
逆に、WEB領域を超えて製品やブランドのマーケティングについて質問したり、理解して設計を行うWEB専門のパートナー会社がいれば、クライアント企業にとってとても力強いパートナーとなるでしょう。
成果を出すために:WEBプローションの運用スキームを作を作ろう
WEBプロモーションにおいては、目的・目標やKPI設定など、そのときのWEBプロモーションのゴールとそこに行き着くための道筋を定める基本設計から、販売したい商品の何を売りにするか(キャンペーン、新商品など)というコンテンツ作成、プロモーション全体像の設計とWEB広告、WEBサイトなどの個々の施策策定はもちろん、PRや販売店舗がある場合は店舗施策、実行を行った上での分析……
上流から下流に流れていくように各施策をつなげ、ぐるぐるとPDCAを回して改善、効果の最大化を図れるように運用していかなければなりません。
WEBプロモーションの重要な3要素
WEBプロモーションにおける重要な3つの要素は「コンテンツ」「WEB広告」「WEBページ」です。
1つだけで効果を出せるのではなく、この3つの要素の組み合わせで効果を生み出していきます。
A)コンテンツ
「(他社にはない)商品の魅力・ブランド・想い」「新商品」「キャンペーン」など、消費者に「この商品気になる」と思わせる、または「買おう!」と決める後押しとなるコンテンツ。
美味しいラーメン屋さんは広告を打たなくてもお客さんが来るように、そもそものコンテンツに魅力がなくてはいけません。
B)WEB広告
①恐怖訴求、インフルエンサーレコメンド、診断など、消費者のフックになるような「訴求手法」
②リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告などの広告から適切な広告を選び、予算配分、広告の露出を最適化する「訴求手段」
③テキスト、ビジュアル、動画などの「クリエイティブ」
C)WEBページ
WEB広告の受け皿となるWEBページ。
通常、広告の内容に合わせた販売に特化したLP(ランディングページ)を制作することが普通。WEB広告に掲載の内容に惹かれてクリックしたユーザーが閲覧するページのため、WEB広告のバリエーションに応じてLPを増やせると良いでしょう。
また、商品の強みや価値の理解はA)B)ではできないため、購買決定を後押しする上で非常なツールです。
WEBの最大のメリットは「結果の数値がとれる」ということ。
特に B)WEB広告 と C)WEBページ は
①一度作ったら終わりではなく、中間の結果値をもとに改善を続けながら運用
②複数パターンを作成・配信して、効果の高い訴求手法やクリエイティブ(コピー、グラフィック、動画)を見つける
をしていきましょう。
クライアント企業からの情報提供は十分ですか? WEB広告代理店やSEO対策会社など、パートナー企業が成果を出すために
WEB広告代理店、SEO対策会社などに不満を持つクライアント企業にありがちなことは、「十分な情報を提供できていない」という場合もあります。
例えば
商材の戦略が明示されていない(施策におけるゴールが明確化されていない)
キャンペーンや新商品の情報など、販促に使いやすい情報が共有されていない(クライアント企業内で製品担当者→社内WEB広告担当者に情報伝達ができていない)
どこに課題を感じているか明示されていない(何を希望しているかわからない)
など、パートナー企業が提案・施策を考える大元の情報が足りず、共有できていればより良い提案ができるにもかかわらず、内容の浅い提案・施策になってしまう……ということがあります。
もし上記に思い当たるクライアント企業の場合、情報提供の体制を改善するだけでも、WEBプロモーションの効果が上がる可能性があります。
まとめ
WEBプロモーションにおいてのポイントは◯◯だけやればいいと思わない事業全体からの俯瞰的な視点で、WEB領域に何を求めるのか?→WEB領域全体におけるゴールは何か?を考える
上記を共有し、共感して並走できるパートナー企業を選定する
PDCAを回す、WEBプロモーション全体の運用スキームを設計する
WEBプロモーションの重要な3要素「コンテンツ」「WEB広告」「WEBページ」を複数案で組み合わせ、改善していく
パートナー企業への十分な情報共有をする
となります。
WEBプロモーションにお悩みのご担当者様のお役に立てれば幸いです。